第65章 新たな冒険
ケイト「あいつは…
彼は彼にとって、仲間や居場所さえ助かれば、他の傷や背景はそれほど関心を抱かない。
『家族と仲間(元敵以外)と居場所>それ以外(他へ与えた傷や背景、元敵含む)』というだけだ。
もし…敵であっても傷付けたくない、殺したくないと本気で思っているのなら、祈るように眉間に皺を寄せて戦うだけでは駄目だ。
そんなこと、考えなくても、幼児でもわかる。
祈るだけで誰も傷が付かないで済むなら、最初から戦も争いも起きはしない(真剣&睨視)←闇が出る
行動も努力も無しに、自ら動こうとしないまま…傷付かないこと、傷が癒えることへ結び付きはしない。
彼曰く仲間とされている『元敵』の傷は、いつまでも癒されない。
修業をしない現状は覆ってはいないし、覆そうとも本人はしていない。
うーん…総合的に見ると確かに悪人だけど…
う~ん;」腕組み&頭捻る
必死に考え込む最中…学舎での訓練の授業時間は終わりに近づいていた。
心根が綺麗であればある程、この世がどぶ川に見えて辛くなる。
本人の意図する想いと、その言葉を受けた者が感じた想いは必ずしも同じとは限らない。
PTSDを悪化させる言葉の数々、誘導にもなり兼ねない。
自分に出来ることが他にも当然とは限らない。
男「お前、ちゃんと動けよ!」
女「ごめんなさい;」がたがた
男「だから嫌なんだよ!お前と組むの!」
トール「やめなよ!」
男「あ?」
泣きそうな怯えた顔をして震える女児へ傷付ける言語を使う男児に対し、トールが女児を背に間に入って立ちはだかった。
男児へと、正面を切って…
トール「傷付くだろう?!」
男「知るか!傷付く奴が悪いんだよ!」
トール「傷付ける言葉を使う方がもっと悪い!
昨日ニュースで見ただろう?
相手や巻き込まれる人の気持ち、何も考えてなかった!
言葉も力も、自由だからって好きに使っていいものじゃない!傷付けていい人も物も無いんだ!
君のやってることは…昨日のニュースになったあの人と何ら変わらないじゃないか!」←2553ページ参照
男「ムカッ)違う!
あんな風に実害は出してない!
何より、俺はあんなのとは違って、力で解決しようとはしてないだろ?!」
トール「人の心は違うんだよっ!
力で傷付けられた時のように、目には見えないんだ!」
男「ぐっ」たじっ