第63章 新たな来訪

逃げようと思えば逃げれる。

でも…聞いておいた方が為になる気がするから、できれば逃げるという範疇でしか動けない；


「「「おせっかい焼きも程々に」」」

そう声を揃えて言われる中、私は頑張って糧に変える為に聞くことにした。



アスフィ「他人に頼らず自分で何とかしようとする姿勢は尊いです。

が、それが原因で心配させていることを自覚して下さい！
悩みがあるなら相談して！！」

ケイト「はい…；」


ティオナ「ケイト…いつになったら諦めるの？

理屈が違う人に、自分の理屈を飲んでくれって言った所で無駄だよ？
話からして通じないんだから…

だから神様達は、彼が存在してケイトが存在しない世界を消す決断を下したんでしょ？」

ケイト「…そうだね……

「俺はあんたを許さない！」
って理屈で、ガンガン殺したり傷付けてっている訳だけれど…
死ぬまでに最低5人は殺してる。

本人は、自分は悪くないって思ってるんだよね。
襲われた側だから、周りも責めないから、責めることがおかしいとさえ思ってるから…悪く言っている、としか捉えられないんだよ。
いくら助けたいと思って言った所で、歪んで捻じ曲げられて受け取られちゃう。

どんなに地獄落ちから助けたかろうが、悲惨な未来を避けさせたい一心での言葉も、何もかもが全て……悪としか受け取られない…


でもね…その物差しは、とっても小さいもので…
それではかって悪だったら何してもいいとか…

全て殺したり傷付けたりして、抵抗を許さないってことをし続けたら…
恨みしか買わないし、敵しかできないんだよね。

たとえ本人がいくら許したって…遺族も、最愛の人も、黙ってなんかはいられないんだ。


で、殺されたり傷付けられた側からすれば、たまったものじゃないんだよね。

それまでの経緯が誰しもにある訳で…
例えば上の決定だったり、逆らえない状況だったり、葛藤があったり、苦悩の果てだとか、苦渋の決断だったりとか…

そんな中でね、自分の物差し一つで？
そんな人まで殺されちゃって、本人は殺したことを引きずってもいないんだよね。

それで、逆に殺されることは許さない！って言うんだよね。
傷付けることも…


人を、殺してさ…背負わないって……
寂しいよ」

俯く中…騒がしく、賑わいを見せる声々とは対照的に…沈んで見えた。


面持ちもまた…