第63章 新たな来訪

ケイト「間違いって形は…全員違う。

気付かない内に間違うことだってある。誰だって間違う。
それに対して、はなから悪人と決め付けて、殺して傷付けた後で虫を殺した後のように笑って…

それが正解とは、とても思えない。


逆に考えて…

間違えて、それに対して傷付けられて、殺されて
最愛の人を、唯一を、奪われて、傷付けられた人達からすれば…

その命も背負わず、苦悩もせず、笑って、虫を殺した後のように、事も無げに、無関心にされ続けたら…

恨みと憤怒と憎悪が燃え上がるだけ。好感なんて一つも抱かれない。

憎しみ以外…何も抱かない」黒睨視

「「「！」」」

強く感じる程に闇を表出する中、強引に内へ引っ込めた。


ケイト「…もし、ああいう在り方が仮に許されるとしたらね？

いいことさえしてれば、何やっても許されて当然ってなっちゃうんだよね。
でもそうじゃないでしょう？


彼の物差しがあったとして、それに合わない人に対して
殺したり、傷付けたとしてね？

そのことに、彼はいつも…引きずらないと言うか、悩まないと言うか、全然考えたりしないと言うか…


仮にされた本人が許したとするでしょ？
でも、その人を大事に想う人はまた違うでしょう？

一人だけの問題ではなくなるんだよ。


引きずらなくて、苦しまなくて、考えない。
そんなことされたら…それが普通となってしまったら……

された人からすればお前が悪だから殺したり傷付けてやるわ！ってなっちゃう訳で…；
そういうことが延々続いてって…破滅以外無いんだよね；

早い話が負の連鎖。



もし仮に、私達が彼の物差しに合わなかったとして

何をされても許せるかって、言われたら……

極めて、難しいんだよね。


彼には彼の理屈があって、それを「今は」無理に押し通せている訳だけど…

世界中が敵に回るよ。
ずっと続けていったら…破滅しか待たない。

そんな気は欠片もなかったとして、自分の理屈は正義だったとしても、人によってはまた違うわけでね。
それらの兼ね合いもあって、社会という中で生きてる訳で、関与はなくとも見えない形で支えられてる訳で…

大事にしなくていい人なんて、存在しないんだよね…


人は…一人では生きていけない。複雑に絡み合っている。
だから…人の気持ちや心を慮らないと、共に生きてくことはできないんだ。