第25章 一息
「姐さんに助けを求めるなんて卑怯者」
「うぐッ…」
「紬や」
「……。」
フイッと顔を逸して、紬は紅茶を飲み干した。
「御馳走様、森さん」
「もういいのかい?」
立ち上がった紬に笑顔を絶やさずに質問する森。
「愚兄のせいで悩み事が増えて頭がどうかなりそうなので部屋で考えます。何か動きがあれば呼んで下さい」
「そう。無理しないでね」
そう云うと、部屋から去っていく紬を見送った。
その後ろ姿を見て、ハッとする中也。
「私もこれで失礼いたします。何かありましたら御用命下さい」
「中也君もお疲れ様。ゆっくり休み給え」
「有難いお言葉です、では」
脱帽し、挨拶を済ませると中也は紬の後を追って部屋を出ていったのだった。
先程の騒がしさが無くなり、静まり返った首領室。
「紬の頭には既に未来が浮かんでおる様子じゃのう」
静寂を先に破ったのは紅葉だった。
「そうだねぇ。きっと大変な未来なのだろう」
苦笑すると森も紅茶に口をつけたのだった。