第23章 始動
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車が目的地への。最後のカーブを曲がる。
「中っては欲しくなかったけれど動きがあったようですね、姐さん」
紬を乗せた車が、目的地の駐車場に車が侵入したタイミングで通信相手ーーー尾崎紅葉は電話に出た。
『何処かで見ておるのかえ?タイミングまで良すぎる』
「真逆」
フフ、と笑って誤魔化す紬。
『して、どうするかえ?二度目は無いと思うが』
「取り敢えず首領を地下へ。彼処なら少なくとも奇襲には遭わない」
『うむ……手配した』
紬の言葉通りに、近くに居た黒服たちに指示を飛ばす紅葉の声を聞いて、紬は続ける。
「しかし、暗殺は無いにしても襲撃には来るでしょう。……向こうも思っていた以上に冷静さを欠いている。或いは別行動かーーー何方にせよ警戒は続けて下さい」
『……了解した。そちも気を付けるのよう』
「はい、有難うございます」
通信を終えたと同時に、車が停車する。
黒服が運転席から降り、紬が降りるための扉を開ける。目的地に到着した紬は通信端末を胸ポケットに仕舞うと、車を降りた。