第13章 Always thinking unto them.
茫然自失の状態で部屋にむかい、ペタンと壁にもたれて座り込む。
あれは、なんだったんだろう。
私…。
腕をじっと見つめてみる。
力……強かったな……。
『安藤。』
「っ…!」
頭の中で同じシーンがフラッシュバックする。
慌てて腕をしまって目を瞑り、なにも見えないようにした。
心臓がギュってなって顔が熱い。
なんなんだろう、この気持ち。胸がギュッてなって恥ずかしくて、不安で、ドロドロしてて、叫び出したい。
だって、そんなこと、考えたこともなかった。ありえないと思ってた。
頭の中がそれでいっぱいで、何も考えられない。
「ひよこー!ちょっと台所手伝ってくれるー?ってやだ!まだ着替えてないの?」
「…あ、うん!すぐ行く!す、すぐ、着替える!」
お手伝いをしている間も、その事は頭から離れなかった。
「……。」
「ちょっ、ひよこ!!焦げてる!焦げてるって!!」
「へ?あ、」
「もう!いいわ!子供たちみてて!」
「あ、うん…。ごめん。」
みんなと遊んでいる時も、
「ねーちゃん?なんか変だよ?」
「へん、なのかな?」
「ひよこどうしたんだよ?」
「ううん、へんじゃないよ。」
「風邪か?」
「かぜ…なのかもしれない……。」
「ねーちゃんかぜー!?きょうはやくねなきゃだー!」
「う、うん。」