第13章 Always thinking unto them.
息切れなんかわかんない。
ただ走った。
えっと、なんだっけ?
いま、鋭児郎くんは、わたしに、なんて言ったんだっけ?
わたしは、なんて、答えたんだっけ?
勝己くんの家に遊びに行って、
普通の学校帰りの道で、それで、いつもとおなじで、えっと、普通に話してて、ずっと普通にしてて、
さっきまで、普通で、
わたしは、鋭児郎くんは
バタン
家に駆け込んだけれど、
「はぁ、はぁ、はぁ、」
「あらー?ひよこおかえり。ただいまは?」
「ねーちゃんおかえり!」
「あ、ひよこ。」
「た、ただいま。」
ただいまと言うのがやっとだった。