第2章 プライド×劣等感
「……。」
ちょっとのあいだ放心状態になっていた。
なんだろう、この最悪の連鎖は……。逆に奇跡。褒めて欲しいくらい!
ダメダメ!
ブルブルブルっと首を振って切り替える。
いつまでもこんな風にしてられない。そう思って立ち上がろうと踏ん張ってみる。
「よいしょっ!」
ぬるっ……
足元に何かがあって、思わず滑る。
足は思わぬ方向に曲がってそれで、
「わっきゃあ」
ズルっグキっ
嫌な音がした。体は急激に冷えていくのに足首だけが熱を持ち始める。
足を、捻ってしまった。
ごめんね、最悪を軽々と使っていたのは私だったよ。こっちが本当の最悪だよ。
どんどん暗い気持ちになっていく。
このままずっとこの水の中に居たほうがいいかも。
でも、出られたとしても、教室……入れるかな……。にもつが…まだ……。
「はぁ……。」
だれか、通りかから…ないかな…。
やっぱ、いやです…。誰も通らないで…。
そう思った矢先だった。
「はっ!誰かと思えばクソたまごじゃねぇか。」
「えっ?」
そこに通りかかったのはなんと……一番来てほしく無い人、勝己くんだった。