第10章 回復処置【上杉謙信】
〜謙信side〜
…まずい。
一体どこを怪我したんだろうか…。
分からない。分からないが…気分が優れない。
うぅ…凄く熱い…。
ドサッ…!
…
……
──────
「ん…ここは。」
「やっとお目覚めですね。謙信様。」
目を開けると楓の顔がある。
「私は…倒れたのか?」
「そうですよ。倒れたんです。回復魔法使ったから少しは良くなったでしょ?」
話を聞く限り、楓が倒れている私を見つけて部屋へ運んだと言う。
「…重くなかったのか?」
「まぁ…男の人を背負う事なんてあんまり無いので重いは重いですけど…まぁでも運べないほどヤワではありませんよ。
…それよりも、謙信様!熱ある状態でどうして戦に出かけたんですか?!駄目じゃないですか!謙信様はいつも無理をして…こっちの身にもなってください。」
「す、すまない…。」
「全く…もう、お粥作りましたので食べてください。」
「あぁ…ありがとう。」
…何だか心地が良い。
楓が私を看病しているからだろうか。
「あぁ!お水こぼして…失礼しますよ。」
「すまん…。」
「あっ、お粥熱いですか?ふーふーしますよ…。」
「…お前は私の母さんか?」
「えっ…?!あ、もしかして出過ぎた真似を…?」
「いや、有難い。どんどんやってくれ。」
病気の時にこんな暖かい時間を過ごせたのは久々だ。
「楓、ありがとう。」
「何がですか?」
「ここまで看病してくれるとは思ってなかったからな…。」
「そりゃあ、謙信様の事が好きですもの。このぐらいしなくてどうするんですか?」
「やはり、お前は愛くるしい奴だ。」
「そんなこと言ったって何も出ませんよ…。」
そう言いながら冷たい手拭いを絞る彼女。
額に乗せようとした時を見計らい私は手首を優しく掴み上げて楓の唇を奪った。