第4章 感覚【武田信玄】
すまない、と言われたものの彼は背中をそっと触ってくる。
「ぅ…っ。」
声を我慢するけど、身体は素直に反応していた。
「…ちょっと来てくれ。」
グイッと引き寄せられて身体が擽ったくなり思わず息が荒くなる。
私達は近くの部屋に入った。…来客用に使うような空き部屋だった。
「…お前何があった?」
「な、何も無いんです…!本当に何も…ただ…」
「ただ?」
この事を話すと彼はなんて言うんだろうか…。
少し、怖いけど話さないわけにはいかない。
「…身体に触られるとその…感じてしまうんです。」
「えっと…それは自分が触るのは大丈夫なんだよな?」
「はい。人に触られると…擽ったくて震えてしまうんです。」
こんな体質迷惑すぎっ!
「さっき悩んでいたのも…その事だったんです。」
「よし、じゃあ俺も楓の悩みの解決を手伝おう。」
真剣な顔で一緒に考えてくれる信玄さん。
こういう性格だから皆に好まれるんだよね。
本当に…素敵…。
暫く沈黙が続く。
「なぁ。」
「はい?」
「触るのに慣れたら擽ったいのは無くなるのか?」
「さ、さぁ…どうなんでしょうか…?」
隣に座っていた彼が私の正面へと座り直す。
「なら、試してみるか…?」
そっと両手が両肩に乗る。ビクッと反射的に震える。
「お前が嫌なら俺はやらない。本気で嫌がっているのを見て笑ってる馬鹿な奴じゃないからな。」
あぁ…ずるいよ。そんな真剣に見詰められたら…。
「や、やってください…。」
断るなんて出来ないよ…。