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【戦ブラR18短編集】月が綺麗ですね。

第2章 愛する人【豊臣秀吉】


暫く無言状態が続いた。

"無言状態が終わって欲しい"という気持ちと"何も言わずにこの状態を保って欲しい"という葛藤が私にはあった。

私はしっかり話したい。
ここから居なくなるのなら。
───自分の想いを伝えたい。

「あの…、秀吉さん…私」

"貴方のことが好きでした"

って言い掛けた時

「俺、お前の事が好きなんだ!」

そう言って私を抱き締めた。

…嘘だ。

だって貴方はいつも冗談な事を言って困らせる。
出会った時もそうだった。

"俺は織田信長だよ"

あの言葉みたいに冗談で言ったのではないかと思う。

でも彼の目は真剣そのもので。

「俺…お前を元の世界に帰らせたくないんだ。」

ギュッと気持ちの籠った言葉と行動で私を泣かせる。



「…抱いてください。居なくなる前に…。」

私が声を振り絞りようやく出せた言葉だった。



私は抱かれた。
最初で最後かもしれない。
それでも幸せ。
一番大好きな貴方に抱かれているんだから。

「ごめんね…楓。」

彼はそんな事を呟きながら、私と一つになる。

「あ、っはぁ…ん、あっ!」

"ごめんね"なんて聞きたくない。

もっと名前を呼んで欲しい。
もっと噛んで欲しい。
もっと血を吸って欲しい。
そしてもっと

『私を愛してほしい。』
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