第2章 愛する人【豊臣秀吉】
「……。」
障子を閉め、私は抜け殻になったかのように床に座り、絶望感に浸った。
秀吉さんともう会えない…。
豊臣軍の人と2度と会えない…。
こんな楽しい暮らしをしちゃったらもう元の世界には戻りたくない。
「うぅ…う…ぐすっ…。」
想いが溢れた。
帰らないといけない、そんな事分かってる。でも、逆らいたい。
時間が止まればいいのに…。
「楓ちゃん?大丈夫?」
あっ…秀吉さんの声だ。
「だ…大丈夫…です。」
泣くのをやめて涙を拭くも、掠れた声が出てしまった。
「入ってもいい?」
泣いている姿なんて見せたくない。
「すみません、今はちょっと…。」
「そっか。じゃあさ、夜に話があるから、部屋に来てくれる?」
「分かりました。」
それまでに泣き止まないと。
私は遠くなる足音を聞きながら、再度泣き始めたのだった。
…
「秀吉さん。私です。入ってもよろしいですか?」
泣いて泣いて泣き疲れた私は、その後目の腫れの処置をして秀吉さんの部屋を訪れた。
「うん。はいっていーよー。」
いつも通りの明るい声。
…秀吉さんは悲しくないのかな。