第5章 終わり。
「いう必要なんかお前にないだろ」
「……うん」
「カカシのこと好きなんだろ」
「……うん」
「なら何でだよ!」
「さんが、もっと嫌な人なら良かったのに、私にもっと嫉妬とか悲しいとかぶつけてくる人なら私らしくいられたよ。でも、あの人ね、いつもいつも少し驚いて申し訳無さそうに姿を消すの、最初は嫌味かと思ったけど違うんだもん」
本心で言っていた。
「カカシの気持ちわかる気がするよ、ナルト君とさんは本当に本当に仲良しであの中に入りたいって思っちゃうもん」
「…………そう、だな」
「あんなふうにわらう人なんだ、あんなふうに話す人なんだ、でも私達には違う、それは間違いではないし不愉快でもないけど、ちゃんとしすぎて寂しいんだよね、きっと」
ぎゅっとオビトの手を握る。
叶わないとか、そんなんじゃない。
が今幸せと言ったのを思い出し、声を殺す。
カカシはそんな幸せしか与えられない人じゃない。
「だからね、だから、ちゃんと離れる、だって、さんも好きだから」
好きになっちゃったから。
恐怖のままなら。
恐怖のままだけなら、まだがんばれたの。
けど、あの人は暖かく優しい強く綺麗な人。