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【NARUTO】人狼といっしょ。

第5章 終わり。


リンとオビトが立ち去るのを見て呆然とする。
 驚いたんだ。
小説を読む綺麗な人だと思ったら、だった事に。
藤を見上げふわりと微笑み、小説に視線を落とす。その仕草が綺麗だと思った。
ナルトに大好きという姿、そう。
特別なんだ、ナルトは…あの子はにも素直にぶつかる。
それは彼女には新しく、ナルトの言葉は彼女を喜ばせるものだろう。
「ま、とりあえず戻るよ」
「ねーちゃんいじめたらマジで許さねぇ」
「……解ってるよ」
ナルトの頭をなでて、笑みが落ちる。
ちゃんと、向かい合わなきゃいけないのだと。
 帰路の足取りは重く、やっとの事で家につくと太陽は夕日に変わっていた。
ガラガラと玄関をあけると、パタパタと聞こえる足音も、すらりと立っておかえりなさいという声もなかった。
茶の間に向かうと、テーブルには夕飯がラップしておいてあった。
そっとラップに指先をつけると、温かくそう時間はたっていないようだった。
の姿を探しながらなんて言うべきか考えている。部屋の前で声をかけて、戸を開けると驚く。
あちらこちらに毛が散乱してした。
真っ白い毛。
は部屋の隅で毛布にくるまり、鼻だけでていた。
「おかえりなさいませ、す…みません、先に、お休みさせていただきます」
「ただいま…どうしたの、これ」
「…生え替わりですよ、散らかっていて申し訳ありません」
「……顔見せて」
「すみません…」
毛布に鼻先もしまい、おびえているのか震えていた。
部屋に入るとびくりと跳ねた毛布。
「俺はナルトのようにはなれない、けど、ちゃんとお前と向き合うよ。おやすみ」
そっと毛布を撫でる。
静かに戸を引いて、再び毛布を見る。
「お誕生日、おめでとう」
奥様は震え怯え泣いている気がした。
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