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【NARUTO】人狼といっしょ。

第2章 愛してもらいたかった。


あぁ、そうか…
人に飼われることを選んだのか。
『一時だけでいいんで、このかつらをとって普通の女の子として普通に恋愛をしたいのですよ』
それを心から望んでいた。
はくんくんと顔を上げると、アスマは何気なく帰るわと言い出す。
は起き上がりちょこんと座布団に座る。
数回彼女の頭を撫でて立ち去る紅。目を閉じ鼻を手のひらにつけると、クスクスと微笑んで立ち去っていた。
それを確認して、ゆっくりと重々しく目を開ける。
まるで置物のように。
行く前と同じく、座っていた。
二人を見送ると彼女はそうして数日以上動いていなかった。
休まれないと言われているような、そんな感覚がすごく疲労感を増した。
無邪気で何も考えていなさそうな奥様だった。
実際何も知らず小説や書物でかき集めただけの知識や常識の塊だったのだから。
 夜中に目が覚めて癖になりつつあった、彼女を見るのが。
そこには彼女は座っていなく、起き上がる。ふと台所を見ると、眉を下げて微笑む女性。
『あら、旦那様おかえりなさいませ、出迎えを出来ず申し訳ございません少し手が離せなくて』
「いや…」
目をこすると消え去るその姿。
振り返り、部屋の隅を見ると彼女は座っていた。
寝ぼけていたのかと、しゃがみ込み目を覆った。
するり…
ふと、隣には彼女が擦り寄っていた。
金色の瞳は輝き、美しく煌めいていた。
「慰めてくれるの…?」
すりすりと擦り寄る彼女の頭をなでる。
「寂しいのかもしれないね」
ぐいっと服の裾を加えられ、引っ張られながら玄関に行く。
外に出たいのかと思ったが開けろといって言ってるようだった。
鍵を開け始めると彼女は静かに部屋の隅に戻っていく。
玄関を開けると、リンがしゃがみこんでいた。
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