第15章 初心者夫婦、初心者親子。
が熱を出して数日。
火影様は赤子をおぶって仕事をしていた。それはどこに行くでも、一緒。
ふと、飛翔を見ていると進まない仕事もどこか進んで、踏ん切りがつかなかったことも何故か決心つけていけた。
夕方になると仕事を片し、がいる病室に行くのが日課になっていた。
その頃には飛翔は寝ているのだが、何故かに抱っこされるときゃっきゃと喜んでいた。
は⋯心の病気だと言われた。
本人にはあまり自覚は無いと言われたが、綱手は深刻に報告をしていた。
熱が下がると、乳はあげてもいいと言われていたから飛翔が欲しがれば与えていた。
特に原因と言ってもは思い浮かばないと言っていたのですぐに治ると思っていた、誰もがすぐに。
あの日。
忘れ物をして、病室行くとが泣いていた。
ごめんなさいと何か、写真のようなものをみて謝っていた。
それを見てちゃんとした原因があると初めて知った。
聞いてもは話すことはないだろう。
やっと、暖かくなった夜空を見上げてため息をつく。
何度でも、辛く苦しいことはやって来るんだろう。
あーうー?と言う飛翔を抱き抱えキスをする。
「飛翔」
心が病むほど、何をそんなに悩んだのだろう。
そう考えながら二人でゆるりと帰路を辿る。
その翌日、の病室にダンゾウが尋ねたと報告される。
「ねーえ、このタイミングでダンゾウ様がに会う理由ってなんだろね」
シズネはうーんと唸り、オビトはリンをちらりと見ていた。
二人は何かを知っているのだろう。
「あーっば」
飛翔が声を上げ視線は飛翔に集まる。
「⋯⋯まぁ、ダンゾウ様好きだからね元気になってくれればそれでいいか」
「あー!」
「カカシ、きっとちゃんは元気になるよ!カカシが側にいればきっと!」
「うん⋯ありがとう、リン」
「あ!飛翔のミルク!」
「任せとけ!俺が美味いミルク作ってきてやる!」
バタバタとオビトが火影室を後にする。
リンはくすくす笑い、ふと、思い立ったように付け足す。