第15章 初心者夫婦、初心者親子。
眉間を寄せてむすっとすると、手を弾く。
「何ともありません!」
「熱あるでしょ」
「っ!」
「いつから?」
「⋯⋯ありません!」
ぷくっと頬を膨らませるが、熱はある。
「本当に無かったのですっ!」
「カカシ帰ってきて安心したのか?」
ケラケラと笑うオビトだが、はむすっとして、熱はないと言い張る。
「粉ミルクある?」
「旦那様っー!!私はっ大丈夫です!!」
突然カカシに襲いかかったかと思うと、パタリと倒れる。オビトは肩で笑いながら、カカシはの頭を撫でた。
「頼ってくれるんじゃないの?」
「⋯⋯旦那様っ、お仕事の」
泣きそうな顔をするを見て愛おしくて抱きしめる。
「忙しくても、飛翔はいい子だからね、少しの間の連れていくから。ちゃんと綱手様に見てもらっておいで」
「っ旦那様っ私っ私ねっ寂しいんです、わからない不安もあります、でも、私っ、ダメな妻です⋯寂しいんです」
ぽろぽろ涙を落としている。
オビトは首をふって、飛翔をあやしていた。
「うん、そうだよね。」
「わたしっ⋯わたし⋯!」
「少し仕事を考えてするようにするよ、そうしたら時間を作れるから、ね?」
ぱあっと明るくなると、パタリとカカシの上で眠る。
ぴょこんと耳が出てきて鼻をくすぐる。
奥様が頑張りすぎるのはなかなか治らないらしい。
よっこらせっといいながらを抱きながら座ると、オビトは深いため息をついてうどんを食べていた。
「多分入院だぜ、ずーーーっと調子悪いの隠してたからな」
「⋯そ」
「飛翔面倒見れるのかよ」
「大丈夫だよ、生憎暫く大きな会議は予定に入ってないからね」
「そーじゃねぇって」
「大丈夫、俺のサポートはオビト君がしてくれるからねぇ」
意地悪な表情を浮かべるカカシにオビトは誇らしげに任せとけと言っていた。
はふ、はふ、と頬を赤くする妻。
綱手に連絡をして、抱きしめる。
寂しい。
その言葉を告げられたことが。
どれほど、嬉しいか。
「無理しすぎだよ、」
「⋯⋯⋯あぁ、利口ぶりすぎだ」
オビトは苦々しい表情で口にしていた。