第1章 泣き虫な子。
「この子、人狼なのよだから、見世にいたのよ、言わなかったかしら違法営業する見世物小屋って名目の性的サービスする店の摘発だって」
小声で言う紅。狼から目を離さない。
「おまえ、、なのか?」
「結局、知り合いなの?」
狼は視線を反らすと紅の服の裾を噛んで、あっちあっちと何かを訴える。
ヒナタが不良に絡まれている。
カカシごめんまた後でと、言ってヒナタの方に走る。もまた駆けていく。
「」
その声になんの反応もなく紅の後を追う。
まるで、飼い主に従順な犬のようだった。
痩せこけているように見えた、前はもっと毛も揃い美しく凛としていた、ダンゾウの足元で眠り、殺気で目覚め相手を噛み殺す。
美しくも残酷な狼だった。
紅の言葉を思い出し頭痛がした。
人さえ捨ててしまいたかったのかと思いながら空を見上げた。
彼女の髪は白く藤色の根本、確かに空の様だった。