第1章 泣き虫な子。
最近は外に出たがらなくなった。ベッドの下に座り眠る。夕方になると起きてベッド上に上がり窓の外を眺めていた。
なにか思う事があるのだろうと、思っていた。
が、ある夜は自分の手を噛んでいた。
くっちゃくっちゃくちゃくちゅという音に目が覚めると、アスマがを抱きしめていた。必死に自分の手を噛んでいた。
美味しいものでも貰ったように。
「ごめん、すまなかった、だから、やめてくれ、頼むから…っ」
「なに、なっ、!やめなさい!」
「ゎ、たし、は、ぃぬ、だか、、ら」
その声。言葉に涙があふれた。
違う違う。
「そ、ばぃたぃ、くれ、な、い」
「もちろん…」
「ダメだ、無理なんだ、出来ないことだそれは」
は足を引きずり紅の膝頭を置く。
「そ、ば、ぃ、たぃ」
自分の手を噛み千切り、は眠った。
翌朝アスマの言葉の意味を理解する。
物々しい雰囲気の上忍、そして、檻をもっていた。
先頭にはカカシが立っていた。
紅の後ろに隠れ怯える、相談役が出て来ると紅の頬を舐め、しおらしく檻に収まる。
「くぅん、くぉぅん」
鳴き声に座り込む。
なんで、あの子ばかり?
カカシがため息混じり言う。
「あの娘、アスマを噛んだんだって?」
「っ、だから、自分の手を噛み千切ったのよ?そばに居たいってあの娘が言ってくれたのにっどうして、あの子ばっかりっ」
「仕方ないでしょ、人狼なんて彼女一人しかいない、その上忍術を使うんだから」
確かにそれは正論なのかもしれない。けれど!