第14章 懐かしさと。
「木ノ葉には確かに人狼はだけじゃ」
「自来也ちゃん、どう言う意味だい?」
「そのまんまの意味ですよ、人狼は迫害され里を出された歴史があるのは木ノ葉だけではないという事。」
「⋯⋯知っているんですか、人狼の、群れ⋯いや、住まう里を」
自来也は大袈裟にため息をつく。
「あぁ、を連れていこうと思っていた」
その一言にカカシは心臓が飛び跳ねた気がしていた。
無意識の拒絶反応だったのだろう。
とうの昔にあの娘を誰にも譲れなくなっている。いや、手放せなくなっていたのだろう。胸がゆっくりと脈を打つ。
「警戒心は強いが、言葉がわからん訳ではない、酷くを心配し、歓迎すると。彼等は心を痛めていた」
「願ったり叶ったりじゃ、連れおけ」
「⋯⋯はぁ、じゃが、ただ一つ、不安要素がある。その場所には⋯人狼しかおらんのだ。」
視線を泳がせたのはカカシだった、それを見てまたまたため息をつく自来也。
「人と交わった者などおらんのだよ」
「そこまで私らの知ったことではない、群れに返してやると言ってるんだ善意にほかならなぬ」
「あぁ、そうじゃ。そこで始末されようがそこまでの責任を負えぬ」
カカシは額を抑えた。
人狼の群れ。
そんなものがあるなんて思ってもみなかった。
は仲間と居た方が幸せになれるだろう。こんな、場所より。
ずっと自由に羽を伸ばせる。
わかっている。
「何を言っておる。責任から逃げてきた者達の発言とは思えぬな」
床を突く杖の音に、背筋が伸びる。