第14章 懐かしさと。
部屋の入口には、父と三代目が居た。
「自来也、手はず通りせぬか。」
「あはは、つい、カッとなって」
「はぁ、まぁよい。所で、の子供との処遇だったな、カカシお前は産むことを許したそうだな」
「⋯はい」
「その後は何も決めていないと」
言いたい事がわからなかった。
ただ、ヒルゼンを見つめ頷く。
「ふむ」
少し考え込む様子で部屋の外を眺めていた。
「事実を隠し、人狼を愛してももう良いのでは無いか。お前達は、人狼がどれ程利口な生き物かよぉくしっておるじゃろうに」
カカシは驚いた。
「人狼は、忠実で優しく、そう、愛情深く、幼い頃から母親にこう言い聞かせられるどの子も皆そうじゃった」
「忍にはなれない、けれど、忍に尽くすこと、里の民を愛することは許され私達にだけ唯一出来ること」
父の声に喉が張り付いた様な感覚になる。
「お前達とて、知らぬわけじゃあるまい。はそれを聞かされず、ダンゾウに救われ他だけで本能でそれを察した。あぁ、あの子は木ノ葉の人狼じゃ。」
「⋯⋯かつて人狼は里を護るためなら何でもしてきた、肉の壁になって忍を守り、里を護ったこともあった。それでも、無愛想な彼等、人とは違う彼らを民は恐れ嫌い迫害し⋯殺し合わせた。六代目よ、この事実を未来永劫漏らさぬと誓うか」
俯く相談役、そんなことを知らなかった。
殺し合わせた?
何故?
彼等は⋯里のために⋯
「この事実が表沙汰になるのは、里の不名誉だと考えるものが多い」
「だから、を消したいのですか」
「あぁ、そう、木ノ葉の人狼は⋯とても立派な種族じゃった」
「⋯⋯⋯⋯誓えば、人狼の案件全てを私に委ねてくださりますか。」
声を上げようとした相談役を制したのは、三代目だった。