第14章 懐かしさと。
不安で不安で仕方ないのだろう。
「火影様は連絡入れてませんよ、指示も受けてませんからね」
「⋯えぇ、どうせそのうち耳に入るでしょうから」
カチ、と電気を一つ消すイタチ。
「これで我慢してください、いいですか?綱手様が来るまでですから」
汗ばむ手に力が入る。
「はぁい⋯」
それから、何時間たったろうか、実際は三十分ぐらいなのだろうが、二人には何時間という時間に感じた。
秒針が耳障りになり、ひたすらくだらない話をに投げかけていた。
襖が乱暴に開いて、安堵したのはイタチだった。
サクラと綱手の姿を見てこれ程安心したのは久しぶりだった。綱手は、イタチの顔みてよく頑張ってたなとグリグリと頭を撫でていた。
たぶん、ものすごく情けない顔をしていただろう。
オビトやリン、紅とアスマの姿にふらふらとかき分けて縁側に座り込む。
あの娘が、妹の様に愛してきた娘が、生命を産む。
そんな事理解していたつもりだった。
なのに、手の震えが止まらなくて、立っていることさえままならない。
何に恐怖を覚えているのか、いや、これが喜びなのか恐怖なのかさえ解らない。
「っは⋯」
短い息が響く。
耳はが居る部屋の様子を探ろうと研ぎ澄まされる。
あぁ、男どもが追い出された。
オビトさんが怒られている。
アスマさんが紅に怒鳴られ何かを言われていた。
頭ではカカシ先輩⋯火影に報告をと思っていたが腰が抜けて動けない。
なんて、情けない。
トコトコとオビトさんの気配が隣に来る。
「イタチ、に何言われたか知んないけど、俺は⋯カカシに伝えに行くからな」
何を言うかと思えば。
ギロっと睨む様に見上げる。