第14章 懐かしさと。
ほら!と渡せばくんくんと匂いを嗅いでは袖で涙をふいて、またくんくんと匂いを嗅いでは深呼吸をしていた。
「ど、どうだ!落ち着いたか?」
「はぃ⋯ぁの、オビトさん⋯たぶん、多分産まれます⋯」
オビトはもじもじとするの足元が濡れていて真っ青になる。
噂をしたらなんとやら!!!!!
破水してんじゃけえ!!!
ぐるぐる歩き回るオビト。
「おおおおおおおおおお落ち着け、、な?」
くんくんとタートルネックの匂いを嗅ぎながら頷く。
「もうちょいしか待てそうにないです、出したいです⋯たぶん、つるんって出せます、ホントです!!」
「ほんとか!!!いやまて!きっと、今綱手様が来てくれる!!」
「もうちょいって言ったじゃないですか⋯っぐずっ」
「早すぎんだろ」
「オビトさん⋯ほんとにだめ⋯横に、横に」
「そ、そうだな!」
「後、サクラちゃんに連絡を⋯」
「サクラだな!わかった!」
オビトはオーバーヒートしているようではヨシヨシと抱き抱える。
泣きそうな顔をして頑張りすぎるオビトさん。
「大丈夫、私は死にませんよ」
よしよしと言えばぐずっと声が聞こえて、ゆっくり短く息をする。
「イタチさん、いらっしゃいますか?少し手をお借りしたいのですが」
そう言えば、静かに襖が開く。
バッと、から離れるオビトは耳まで真っ赤にしていた。
イタチはを見て何でしょうかと、言いかけてそっと、彼女に手を貸して横にさせる。
「綱手様と、サクラさんにご連絡を、その他にはしないで、報告も貴方達が主の元に帰った時でいいです」
「⋯⋯ダンゾウ様には如何しますか?」
は目を見開いて微笑む。
「えぇ、すぐにお伝えしてください。」
深くため息をついて、オビトを連れ指示を出しに部屋から出るとイタチはすぐに戻ってきて手を握ってくれる。
「その手に掴んでるのは⋯」
「匂いが⋯落ち着くんです⋯一番⋯⋯」
小さく震えているのはイタチにもわかる。