第14章 懐かしさと。
配達員達は何処かほっとしていた。
の印象はここ半年でがらりと変わった。初めはサクモが妊婦だから気遣ってやってと、会うたびに何処か危なく、何処か不安げな様子だったのが、やっと最近落ち着いていた。
降り積もる雪のように、白に消えてしまいそうとさえ思っていたが、彼女は母親の顔を見せるようになっていた。
「僕はさんのような女子だといいですね」
「いやいや、さんのような男の子でもいいです」
「きっと、火影様と奥様に似て優しい子なのでしょう」
はゆっくりと頷き返事をしていた。
「準備出来たぞ、ほら、さっさとやっつけんぞ」
「オビトさん、影分身もお使いになったらどうですか?」
「⋯俺苦手なんだよ」
「まぁ!それは意外ですね!」
オビトは何だかむずかゆくなり、寛ぐのは後々と言いながら荷車に向かっていく。
雪はまだ、降り続く。
少し前に雪かきしておいた庭もすぐ雪の山。茶の間に火を熱めに入れておいて良かった、なんてぼんやり思いながらうつらうつらする。
あぁ、だめ。どうしても眠たい。
「、また、か?」
「⋯えぇ、すみません⋯オビトさん⋯」
寝つわりが癖になったのか、どうも睡魔に逆らえなくなっている。
「リンちゃんが⋯」
「あぁ、後で来るんだろ、わかってる」
抱き上げられた感覚には眉を下げてもう一度謝る。
雪の匂いがした。