第14章 懐かしさと。
寒いのだろう。
オビト寝ていた部屋に火を入れたのは数十分前だ。
「オビトさん、冷えてしまいましたか?」
「構わない⋯け、ど⋯⋯げっ!?なんだあれ⋯まさか」
「えぇ、火影様からですよ」
「増えてねぇか!?」
「ええ、それでこのドカ雪でさして雪掻きもされてない道を朝早くからこんな遠くまで運んでくださった方を労っているんですよ」
「⋯はぁ⋯そんでお前が怒ってるつーわけ」
「⋯⋯怒って等いませんよ?オビトさん。別に天気考えられなかったのかとか思っておりませんから」
オビトは苦笑いしながらの首筋に顔を埋める。
「(この人この後生きて帰れるのかな)」
「(多分死ぬ)」
「(死ぬなこの方)」
はオビトの髪の毛を撫でてクスクス微笑む。甘えん坊ですね?とが微笑めばオビトは可愛いだろ?と言っている。甘々とした空気だが何故か肌が痛む程寒い。
多分オビトさん死ぬ。
ニコニコしながら配達員は心の中で手を合わせていた。
「あー無理、着替えてくる、俺も手伝うから待っててくれよ」
「はい、オビトさん」
にかっと笑って離れてたオビトは駆け足で着替えに部屋に行く。
「さん、お腹、大きくなりましたね」
「はい、夏の前に会えますよ」
微笑すると、触ってもいいですか?と一人が問い、是非話しかけてあげてくださいとは柔らかく微笑んでいた。
「わ、凄い、本当に⋯」
「性別は調べたのですか?」
「人狼の出産に人が立ち会うのが初めてらしく、綱手様がもう張り切ってしまって」
「ポロっと言われたのですね」
「えぇ、ですが⋯どっちでもいいのですよ。大事な大事な命ですから」
次のない。
命。