第14章 懐かしさと。
「火影様からの荷物です」
毎月月初めに届く大量の食料や生活消耗。
は腕まくりをしてえっさえっさと運ぶ郵便屋さんを見て暖かいお茶を配る。
私は焦りませんから、温まってくださいと言えば涙を流していた。
冷えた指先、縁側に並んで座る郵便屋さんに毛布を肩にかけて歩く。
「奥様⋯そんな!俺達のことは!」
「いいんですよ、火影様のお陰様で良い生活をさせて頂いてますから」
はピキリと蟀谷を寄せていた。
郵便配達員は小さくなる。
前々回持って帰ってくれと言えば持ち帰り火影に話したところ戻ってきて受け取ってくれと泣いていた。何を言われたのか知らないが予想がつかないわけではなかった。
「冬ですからねお野菜も高いですし、また、ご近所様にお配りしますから」
ズズずっとお茶を啜る。
「(それ、火影様知ってます)」
「(だから、どんどん荷物増えてます)」
「(奥様、火影様怒ってました!)」
「ふぅ、夕飯食べていかれますでしょ、今日はあったかい茄子の味噌汁と秋刀魚の塩焼きです、足らないでしょうし肉じゃがも用意してございますからね」
「えっ!いえ!」
「いいんですよ、サクモさんも今晩は帰りが遅いと申しておりましたし⋯オビト様が隣の部屋で寝ておられますが話し相手がいらっしゃらないと寂しいんです、私」
「(未亡人オーラだ)」
「(火影様に似てる⋯)」
「(なんで別居なんだろう⋯)」
別居。
そう、これはが流した噂。
が学んだ人の口を利用したものだった。
「ナルトも最近冷たいんですよ~」
口を尖らせいじける姿が愛らしくクスクス笑う。何処か人間離れしていて真っ白の髪の毛やまつ毛眉は美しく、儚い。
「何が寂しいだぁ⋯ぁ?」
お腹を掻きながら部屋から出てきたオビトはにぴとりと抱きついていた。