第13章 強さ。
「でも、ですが、だって、其れ等を抜かしてなんて答えるの?」
なんだか今日はサクモさんは意地悪だ。
「⋯わか、りま、せん⋯⋯リンちゃんの友達だと仰ったあの方の事を考えると私は怖い⋯です、けれど、イタチさんは⋯酷く、苦しんでいました⋯あの方を考えて考えて、イタチさんは⋯きっと、その方を近くで見ていたのに何も出来なかったのでしょう?出来たのが私だったのでしょう、きっと、でも私は、逃げたのですよ、きっと、そうしたら、あの人が言う自業自得もわかります。そうです、私は⋯わからない事で幸せでいたのですから。」
「うん⋯そうだね」
「ダンゾウ様やリンちゃんは怒っていました、許されないって、でも、オビトさんは自分達が支えられなかったって、それは、私がすべきだったのでしょう?そこまで、その人を追い詰めていたのに私は逃げたのですよ、きっと。私は⋯だからですね、サクモさん。私、まだ、少し、考えたいのです。」
「⋯相手の人を?子供のことを?君自身のことを?」
「きっと、どれも考えなくてはならないのでしょう。時間が無いことは存じております。こうしている間にも赤ちゃんは育つのですから」
「そうだね、それで、君は⋯どうしたいの?」
「⋯⋯自分と、戦います。そして、いつか、ちゃんと、その、方と⋯お話しをします。」
サクモは驚いていた。
「私はきっと、その方の事をご存知なんだと思います。時々、そんな気がするのです。えぇ、これは、獣の本能でしょうね」
眉を下げて微笑む。
「時間がかかりすぎて、もし、この子を産むことになっても。その人のことをちゃんと思い出して、人狼という私と、戦うのですよ」
「きっと、君だけじゃ無理だよ」
「えぇ、ですから、その時は甘えてしまいますよ。サクモさん」
「⋯⋯もし、思い出して、その人が会いたくないと言えば?」
「会いに行きますよ。だって、私のナルトが何も言わずにいるんですよ?きっと、もどかしいから、言わないのですよ。その人を知っていて私との事も知っているから、なら、ちゃんと話をしなくては、今は、記憶がちゃんと揃うまで、考えさせて下さい」
「君が考えた結果、その子を不要として、遅かったらどうするんだい?」
「大丈夫ですよ、人殺しは⋯慣れたものですから」
泣きそうな顔をして言うから。
馬鹿だなぁと、サクモは抱きしめる。
