第13章 強さ。
「何と、戦うの?」
「私と言う人狼と、です。」
これでもかと言うぐらい目を見開くサクモさん。そんなに驚くようなことを口にしているのだろうか?
ごめんね、とサクモさんは言って箸を洗いに席を立った。
「あ、あの⋯」
「なら、その子はきっと、君の妨げになるだろう」
背中を向いたまま言う。
お腹に手を当てて、そんな事は無いと言いかけた。
「せっかくの再出発だからね」
「で、ですが、それは」
「きっと、君の妨げになるよ」
振り返ったサクモさんが悲しい顔をしていたから驚く。
「それは、まだ、私には判断出来ません⋯まだ、今の段階で、決められません⋯⋯」
「情が湧く前に潔く決めた方がいいよ」
「⋯そう、なの、かもしれません⋯でも⋯」
「どうして、今頃迷っているんだい?」
その言葉にドキッとする。
決めていた、解っていた。
私はきっと育てられないと。
解っている。
なのに、何故今サクモさんの言葉に⋯
反対するの?