第13章 強さ。
苦しいですよ、と呟いて気がつく。自分が泣いている事に。
リンちゃんが教えてくれた。
涙というものだと。
嬉しい時、悲しい時、苦しい時、痛い時にぽろぽろ零れる感情だと。
今私がどの感情が零れているのか、わからない。
けれど、サクモさんが今日は意地悪で怖かったから安心して嬉しいんだ。
「、大丈夫。君が決めたことで君が苦しむことはきっとさせないよ」
「っ、うっ⋯ふっ⋯」
「火影様はきっと、君の優しい笑顔と幸せを誰よりずっと願ってるからね」
「ほ、かげ、さま?」
「あぁ、だから、ごめんね、意地悪をしたね」
「っ!さくも、さん、私⋯ちゃんと、考えられるでしょうか?なが、されてない、でしょうか?」
「大丈夫だよ、君には沢山の仲間がいるんだから」
そう言って優しく身体が離れるとサクモさんは悲しげに微笑んでいた。
頷いた私を見てふわふわと頭を撫でられる。
「さ、せっかく美味しいご飯だからね、食べようかな」
そう言って再びパクパクとご飯を口にしていて私は涙を拭って微笑んだ。
「うん、やっぱりのご飯は美味しいね」
「はい⋯」
その言葉は何故か懐かしくて。
耳触りがとてもいい言葉だった。