第13章 強さ。
知っている。
私は、この子と生きていた。
愛おしいと、愛してると、何度もこの子に感じていた。
そして、沢山沢山この子から嬉しいと愛おしいを貰っていた。
人の姿の自分より少し大きく、立ち上がった男の子の頬をふにっと、両手でつかむ。
「あ、いたか、った、」
どこからその言葉が出てきたのだろうか。
「なると、えぇ、私の、自慢の子⋯とっても、いい子なの」
男の子はずずっと鼻を啜りにこっと笑ってくれた。
あぁ、そう。
この子は、うずまきナルト。
そろっと、首に腕を回す。
「愛してる、私の大切な人」
「⋯ねーちゃん」
「⋯えぇ、相変わらず泣き虫ね、でも、大きくなったわ⋯立派になったのね」
暖かくて、陽だまりのようなあの子。
そう、覚えてる。
忘れるはずがない、だって、この子に私は、何度も何度も勇気と幸せを貰っているんだから。
抱きしめると優しく抱きしめてくれるナルト。
「ずっと、ずっと、会いたかったんだってばよ」
しゅるりと、紐が解かれるように断片的な記憶が流れる。
ふらりと、するが、ナルトに支えられる。
「ナルト、お昼一緒にどうですか?」
「勿論食べるってばよ」
ナルトとの事が沢山沢山流れてくる、その中でわからない事も山ほど。
けれど、ダンゾウ様の言葉を思い返す。
出会う度、思い出すだろうと。
イタチの言葉を思い返す。
私が、待ってあげなかったから。彼は一人で戦っていた。私が逃げている間。
一人で背負っていた。
わからない事ばかり、けれど。
「私ね、まだまだ、忘れん坊なんです。けれど、ちゃんと強くなるから、その時は一緒に戦ってください」
オビトはにやりとして、ナルトは勿論と大好きな笑顔で言ってくれた。