第13章 強さ。
行ってきますと言って家を出たのは十分前。
オビトと二人、は紙を握りしめて歩いていた。の手元には二枚の紙。一枚は敬語を使えなかった罰ゲームの紙、もう一枚はお料理の買い出しのメモ。
オビトの隣を歩きながらキョロキョロとしていた。
「なんだか、変な感じです。」
「何がだ?」
「だって、私、こんなに沢山の人見るの初めてなんですよ!ドキドキします」
手を振る商店街の人々には頭を下げて歩く。
にこにこして、買い物を進めていると、ふと、気配にオビトはの手をつかむ。
「ほら、紅がくれた大チャンスだ」
「え?えっ?」
商店街の一角、甘味屋と書かれた店の前に引っ張ってこられる。
オビトはにやにやしていた。
は息を整え、顔を上げる。
席に座っていたのは向日葵のような髪の毛をした男の子。
青い瞳。
はゆらり。
ゆらり
ゆらり、と揺れるように近づく。
男の子は視線をそらしたり、泳がせていた。