第13章 強さ。
「ちゃん、忘れていいよ。いまのちゃんには関係がない事だからね」
「そうして、優しくされて、その優しさの中だけで生きていけばいい。戦いをしない理由を、戦えない理由を作り続けて貰えばいい。」
「イタチ君!!」
「貴方がそうなったのは自業自得だ。なぜ誰もそう言ってあげないのです?あの人を嫌うことも、あの人を忘れることも所詮できない癖に。何故、あの人ばかり傷つけられるのか私には分かりません。与えられた優しさをただ、ダラダラ垂れ流し、あの人を突き放しもしない最も酷いのはでしょう。」
「イタチ、それ以上は言うな」
髭の男が止めたのはリンちゃんだった。
クナイを構える二人、リンちゃんの腕をつかむ男と、応戦しようとしたイタチの目と手をつかむ男。
私はただ呆然とした。
「ただ優しいだけで、人格を変えるほど傷つけたは被害者だとでも言うんですか」
「そうじゃない、リン、こいつどうしたんだ落ち着け、イタチ」
「⋯子供を殺すと言うなら、私は本気ですよ」
「あー⋯なるほどな」
「オビト!?」
「誰も責めないで話をするのは難しいと思うんだ、リン。俺達は誰の味方もなっちゃいけねぇよ」
悲しげに笑うオビト。
リンは力が抜けた。
「なん、で!オビト!?なんでなの!」
オビトと呼ばれた男はの前にしゃがみこみ頭を優しく撫でた。
「が、あいつを愛していたのを知っているからだよ、が弱かったんじゃない、俺達の力不足だからなリン。」
支えようといつか、誓った。
二人は困難な道を行くだろうと。
二人で支えようと、決めたのに出来なかった。