第13章 強さ。
「あいつも、も、守れなかったんだ。二人を責めるんじゃない、リン。」
ごめんな、と言うオビトは悲しい音だった。イタチも泣きながらその場を立ち去っていた。
リンは泣きじゃくり、オビトは優しく混乱しているを見て言葉を探していた。
テンゾウは懐から手紙を取り出す。
オビトを避けてしゃがみこみ、差し出す。
「初めまして、さん。この手紙は、火影様からですよ。君の生活がより良いものであるように火影様は祈っているそうだよ」
震える指先で、その手紙をつかむ。
「イタチ君が随分暴れたようだね、混乱をさせてすまない、でも、彼の言葉は嘘を一つもついていないそこは謝らないよ、わからないなら聞けばいい、君には口があり、声があり言葉があるんだからね」
「火影様は⋯が、赤ちゃん産むと思ってるのかなぁ」
テンゾウは優しい笑みで頷いた。
「うん、多分あの方はどちらでもいいんだと思うよ。人狼の君が幸せならね」
そっと、受け取った文を見て抱きしめた。
「きっと、、読めるようになるから、そしたら、火影様にありがとうって書くから待っていてって言ってほしいの」
わかりました、と言うテンゾウは優しい声音ではホッとした。
「さて、さん。僕のことはヤマトと呼んで下さい。貴方は聞きたいこと知りたいことが沢山あると思うけれど、一つずつ優先順位を決めて答えを見つけていきましょう」
「ゆ、うせん?」
「そう、ほら、リンさんもオビトさんも悲しんでいる暇はないでしょう?先輩にまた小言言わせるつもりですか?」
二人は涙を拭って、笑ってくれた。
は、この男をまじまじと見つめる。あぁ、すごい、この人は悲しんでいるリンちゃんを笑顔にした。
私は⋯私がちゃんと考えて決めなきゃいけないんだ。
今のままじゃだめ。
「あぁ、そうだ、明日は綱手様の所に行きましょう、赤ちゃんというもののお勉強ですからね」
「!うん!リンちゃん、、強くなる、リンちゃんみたいに強くなるから!」
「なんだよ、突然」
「そんで、ね!ヤマトさんみたくね!リンちゃん悲しんでたら笑顔にできるようになるの!」
オビトはわけわかんねぇ事言い出したぞと、ヤマトを見ると何故か嬉しそうにしていて蹴りを入れる。