第13章 強さ。
「そうだ、着物の着方を教えようね。この間リンちゃんに貰っていたろう?」
「!!!あれ!着れるの?勿体ないですよ!」
「着物は着ない方が可哀想さ」
後でクリーニングに出してあげるから、それまで着付けを覚えようねと微笑む。
大きく頷き、茶の間に行く。
ちゃぶ台がちょこんとあって、台所やテレビ、食器棚や冷蔵庫、何処か、、懐かしかった。
「、ここが一緒にご飯を食べる場所だよ」
「⋯⋯ぁ」
ふと、電気の紐を引っ張りカチカチとする。
明るくなった茶の間。
「うん、此処は私の知っている場所なんだと思うの」
懐かしい、思い出がきっと詰まった場所なんだろう。
ほうっとして、心がぽかぽかしていた。
帰ってきた、そんな安心感。
「此処では何をしていてもいいんだよ、あぁ、そうだ、、料理なんで覚えてみないかい?」
「料理??ですか」
「あぁ、リンちゃん達に聞いてみるといい、買出しに行くならその引き出しの財布を持っていくんだよ」
「?????は、はい??」
頭にはてなマークをぽんぽこ増やしているのを見て可笑しくての頭を撫でる。
「とりあえず、お風呂に入ってご飯を食べて今日は寝ようか」
「はいっ!」
誰がなんと言おうと可愛い一人娘なのだから。