第13章 強さ。
秋の終わり、あの小屋では寒すぎるからとサクモの家に行くことになる。
綺麗に掃除されていて、は目をぱちくりとしてほっとする。
サクモの匂いがした。
「、おかえりなさい」
「!た、ただいま!」
子供が出来たと言った時サクモは酷く悲しげな顔をしていた。どうしてそんな顔をするのか分からなくて、でも、もう死なせないみんな護るよと言っていた。
ダンゾウ様も誰一人死なせないと、ひどく怒っていた。
お腹に子供がいるらしい。
私には考えられない。
「、この家では沢山やることがあるからね、その姿で支障がないなら構わないけれど、僕も仕事が少し溜まっていてね留守がちになるかもしれない」
「この姿では、だめ、ですか?」
「宅配の人とか驚いちゃうかもね」
「たく、はい?」
「うん、だから、留守の時にはリンちゃんと、リンちゃんの、友達に任せようと思うんだ」
ドくんっと心臓が飛び跳ねる。
「り、リンちゃんの、友だち?」
「ああ、綺麗な子だよ、きっと、も好きになるだろうね」
「おんなの、ひと?」
「当然、男の人と留守にさせたらきっとダンゾウ様の怒りに触れるだろうからね」
はほっとしてクスッと笑う。ダンゾウ様なら有り得る。
サクモはの笑顔を見て玄関で履物を脱いで揃える。
前の家では靴は脱ぐことは無かった。
「僕の家では靴は脱ぐんだ、覚えてね」
「⋯が、がんばります!」
「うん、それじゃ部屋で一通り教えるよ」
サクモの後ろをてくてくとついて歩く。
ゆるりと此処はお風呂、トイレ、僕の部屋等説明しながら歩く。