• テキストサイズ

【NARUTO】人狼といっしょ。

第12章 やっぱり。


「ちゃん、それじゃぁね」
 「えーリンちゃんもう帰るのです?」
 「うん、また来るからね?」
 「しょんぼり⋯」
 しんなりとする尻尾はいじけるようにグルグールと半円を描いていた。
 それを見てリンはグリグリとの頭を撫でて額にキスをする。
 「大好きよ、貴方だけが彼を支えられるの⋯人らしくさせるの⋯」
 「リンちゃん?」
 「ちゃん、私は⋯私も決めたのよ⋯貴方の力になろうって。ずっと前に決めたのよ」
 そう呟くとを抱きしめていた。
 「ちゃんと⋯」
 「リンちゃん?大丈夫えーっと⋯あ!お利口さんしてるからね!また遊んでね!!」
 「っ⋯」
 逃げてしまいたかった。
 この子を連れて。
 
 三代目に言われて、会って驚いた。初めはカカシに知らせなくてはと思った。
 でも、彼女は無垢に微笑んだ。
 『はじめまして、私は、っていうの!人狼なのですよ!』
 怯えながらそう言った彼女は、ただ人を恐れていた。
 「ちゃ、ん?」
 獣の姿は大きく恐ろしく感じた、けれど、サクモさんはそんなを、子犬かなにかのようにただ抱きしめていた。
 「だぁ、れ?なぁに?これ、すき!んぅあったかいの」
 「僕ははたけサクモ、よろしくね」
 「これすきーねぇもっとして!」
 何も知らない、子供のように。
 抱きしめられた記憶さえ、彼女にはないのだろう。
 ぎこち無くサクモに体を預けていた。
 「サクモさん、お腹減った⋯でも、これ、とっても好きだなぁ」
 あの日からずっと、彼女は人の姿になる事は無い。ただ、幼いまま。
 今夜も人を殺めにいくのだろう。
/ 264ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp