第12章 やっぱり。
巷では、自来也著書の人狼の悲恋小説か酷く賛否を呼びながら流行していた。
カカシはと言えばもう1年になるだろう、と会えず話せずが続いていた。
何故か、父は帰っては来たが直ぐにまた出ていき前回はリンを連れてっていた。
リンはすぐに帰ってきたが、すぐに別件だとバタバタしていた。
オビトはと言えば、アカデミーの生徒にバカにされながらも、サスケに目をかけていた。
煩わしい程に静かな日々だった。
昨日まで。
仕事帰りのリンを見つけ声をかけようとして驚いた。
見覚えのある着物を指さしていた。
隣には紅もいて、なにか話しているようだった。
そうだ、あれは、が気に入っていた白い着物。
何故売られている?あれは、ずっと、いつも、あった。
あの家に。
心臓が脈を打つ。
「プレゼントに丁度良さそう」
「アンタすっごい高いわよ」
「⋯うん!でも!お金は大丈夫!お使いだからね!⋯あぁ、うん、絶対これがいい」
「仕事の誕生日プレゼント探しもやっと終わりね」
「絶対似合うの!きっと、喜んでくれると思うんだ!!」
興奮するリン。
それを買い上げラッピングしてもらうと、紅に礼を告げて駆け足でその場を去っていく。
不意に、追ってしまった。
そして、辿りついたのは里の外の林の一角。
そこには小さな小さな家があった。
ジャラリ、鈍い鎖の音。
何処からか聞こえるよく知っている優しい声。
リンはノックしながらそのドアに向かって叫ぶ。
「ちゃん!!遊びに来たよっ!」
「あぁ、待ちなさいそんな格好で⋯」
「リンちゃん!!」
「えへへ!ちゃんに会いたくて急いできたの」
「もとーーーっても会いたかったのですよ!!」
真っ白い狼は首に大きな鎖を垂らし、リンの周りをクルクルとしていた。リンは一生懸命にプレゼントを隠して落ち着いてよと笑いながらなかに入る。
「リンちゃん!ね!りんごがたべたいのです!」
「待ってね、今むいてあげるから」
「うん!甘ぁいの好きなのですよ!」
「、自分で剥きなさい出来るだろう?」
「出来ないもん!人狼だから爪があるから握れないんだもん」