第12章 やっぱり。
だから、選ぶ。
何度も。
愛して立ち去ることを。
全てを受け入れることを。
それを間違ってると言うなら、どこが間違っているか教えて欲しい。
「だから言ったのです、人狼は人とは平等になれはしない。なれる訳がない。なれなくても、この痛みが私で終わるなら私以外がもう、こんな思いをしないで済むなら、喜んで死にますよ」
愛も子供も仲間も要らない。
あなたが望むものを私は持てる強さがない。
「⋯わかったよ、。確かに俺だけじゃだめで、だけでもダメだね。」
カカシはそろりとクナイを握ったまま鬣に顔を埋める。
私には人の様な手はもう不要だ。
そう決めたのに。
この人がそんなふうにするだけで⋯
「、俺が死んだら泣いてくれる?」
「⋯貴方は⋯死にません⋯優しい人です。孤独と葛藤と苦しみと戦える強い人ですから」
「ふぅ、随分俺を過大評価してるんだね」
「⋯いいえ、そんなことはありません⋯でも、もし、死んだらきっと私はおかしくなってしまいますよ」
「⋯⋯あぁ、その言葉で生きていけるよ」
あなたが居ない人生など私は考えられはしない。
私もきっと、身勝手で自分の事ばかりの所は人間に似たのでしょう。
「愛してるって、言って、」
「⋯はい、愛してますよ、カカシ様」
優しく頬にキスをして彼はそっと離れた。
それでも、愛されることは心地よく⋯心地よく⋯とてもとても逃げられない恐怖を感じるだけだった。