第11章 人狼とは。
がくりと、肩を落とすナルト。
そんなこと。
そう、たかがそんな理由で、は嫌われている、煙たがられているのだから。
「ねーちゃんは、里の皆の事きっと好きだってばよ」
「あぁ、そうだろうね。は、あまり、他人を知らないから。みんなが皆先生で憧れなんだよ」
「⋯酷いってばよ!!!!おっちゃんだって知ってたんだろ!?この事!なんでねーちゃんに教えてあげないんだってばよ!」
「変わらないからだよ」
「変わらない⋯?」
「それを知って、それを里の者に知って貰っても、同じことの繰り返しだからさ」
ナルトには理解出来なかった。
あぁ、優しい子だ、サクモは満足げにナルトを優しく見つめた。
の為に何かしてやりたいと思ってるんだろう。
「じゃあ、じゃあねーちゃんはどうしたらいいんだってばよ!」
「が、うんと、長生きして、がうんと、里の者に信用されるしかないのかもね」
茶化したように言うから、ナルトは怒って立ち上がると、が声を掛けてくる。
「あ、あの!サクモさん!これ!すみません時間がかかって」
きっと全てを聞いていたんだろう、動揺が隠せていなかった。
差し出されたのは髪紐だった。
「こういうものは作ったことがなかったので⋯でも、獣よけにはなると思います」
「これは⋯」
白い綺麗な紐だった。
つやりとして、光の加減で紫に輝く。
「私の毛です、鼻が利く獣でしたらこれで退くと思います」
「いいのかい?毛なんて⋯何処か痛かったりしたろう」
「いいえ!ブラシをかけた時の毛ですから!大丈夫です」
あぁ、狼の姿ではブラシをかけるのに手間取ったのか。納得すると摘むように受け取り手のひらにのせる。柔らかな肌触り、つやりとした毛並みは人狼特有なのだろう。
お怪我はいけまけんからとまゆを下げるを見てくしゃくしゃと髪の毛を撫でる。
「それはも同じだよ、怪我は良くないね」
「⋯皆様心配し過ぎですよ、私は人狼ですから」
「アイツが悲しむよ」
瞳が揺らぎ素直に返事をするに驚く。こんな手がつかえるとは、と感心しながら嬉しくもなる。