第9章 愛痛い。
「あーあ、早速逃げ出してるよ、どうします?」
「⋯はぁ⋯三代目のお考えだ追う⋯!?」
「やばいですよ、さん出てきました」
「ここで見ていろ」
「そっちはお任せします」
聞いていた、サクモさんがいたからまだ、良かったあの場所。此処では違うと、言っていた。
「あ、あのっ!!?ッ」
「うちの店に来ないでくれよ!」
「あの人頭白いよー」
「ッ!!人狼⋯見るんじゃない!!!」
「あ、の、子供を、子供を見ませんでしたか!?金髪で⋯っ!!」
「誘拐か!?おい!誰か人狼が誘拐したと伝えろ!!」
「こいつ!子供を攫ってどうするつもりだ!」
「いや、ぁ、あの!お願いです!子供が、家を出て⋯っ帰り道もきっと分からなくて⋯ィッ⋯っ!!」
髪の毛を鷲掴みにされ、痛い。でも、ナルトがどちらに行ったか、誰か、誰か見ているはず、あの子は寂しがり屋だから、誰より優しい子だから、だから⋯!
「お願い⋯ナルト⋯がっ⋯⋯ん!」
煩いと猿轡まで持ち出す始末。
お願いあの子を。
あの子を。
探させて、やっと、やっと、あの子に出来る唯一の事なの。
私があの子に貰ったたくさんの嬉しい事をあの子に返せるの。
「んっふんんんんっ!!!」
腕を振り払おうともがいても、殴られ蹴られ膝をつく。
あぁ、お願い。
きっとあの子寂しくて後悔して泣いてるから。
「」
その声に救われて、彼の抱えている子に安堵する。
ごめんなさい、私はそう、化け物だから上手くできないの。
涙が溢れて座り込む。
緩んだ手を振り払いナルトを抱き抱える。
「な、なんで、ねーちゃん⋯」
「ん⋯うっぐっ⋯っんうぉ⋯」
「なんで、ねーちゃんこんな、ぼろぼろなんだってばよ」
ペタペタと身体を触り傷がないのを見て微笑む。良かった⋯良かったあ⋯