第9章 愛痛い。
カカシは怒りを堪えるためにため息をひとつ。
「イタチ、どう言うわけ?」
暫く静まる通り、イタチが姿を見せると簡潔に説明をしていた。
ナルトが家を飛び出しが追いかけ出てきたと、フラフラと聞きながら回っていると、が誘拐したと勘違いされたと。
「へぇ、そう。で、俺の婚約者さんはそれに対してそうですって言ったの?」
「いえ」
「こん、やく、しや?」
ざわめく周囲にナルトはカカシとを行ったり来たりと見ていた。
呆れたように淡々とイタチは男を見つめながら告げる。
「そうです、こちらの人狼のは。はたけカカシの婚約者です。」
の髪の毛を撫でて眉間を寄せ、猿轡をとると、優しく微笑む。
「髪の毛、どうしたの?」
「⋯あの、ちょっと絡まってしまって、あの!すぐ伸びますから!」
「そっか⋯伸ばしてくれる?」
「⋯はい!」
ギュッとを抱きしめるとナルトは挟まれ驚く。
「何故⋯人狼が婚約者!?」
「はい、人狼は、人狼同士の群れ、人狼又は人間との繁殖は認められておりません、が、結婚を認められていない訳ではありません。婚約者がいておかしな事はございません」
「な、なっ!?」
「そう、この娘は俺の大切で愛おしいただ一人。」
「か、カカシ様!」
「足の鎖、聞いたよ。君の能力を半減以下にさせ、俺や父さんが鎖を切る事で君は死んでしまう。そうでしょう?君が鎖を切っても同じ」
「⋯⋯お調べになったのですか?」
「勿論、君に関することで知らないことがあるのは嫌だと思ってね」
「ねーちゃん⋯化け物なの?ほんとのほんとに?」
「⋯はい、ほんとのほんとです」
「でも綺麗でしょ?俺の未来の奥さんだから虐めちゃだめだよ?」
カカシの瞳は笑っていなくてナルトはにしがみつく。
それにムッとしたカカシだったが、はヨシヨシと嬉しそうにしていて参ってしまう。
「半減以下ったって、人狼は忍術を使う」
「だから、僕達が四六時中彼女を見張っている」
「それは、サクモさんが担っていたろう!何故」
「それは、俺たちが知るべきことじゃない。ただ、ほかの人狼を俺達は知らない。という人狼は一度も市民に牙を向けたことはない。だから、この子を三代目から預けられた」