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【NARUTO】人狼といっしょ。

第6章 XXXXXXX回目のやり直し。


と呼ばれたそれは、布団から顔をだしちらりとカカシを見て、人の姿になる。
カカシは驚くばかりだった。
さっきまでそこにいたのは動物だった。
「は、じめまし、て…はたけカカシ様、お噂はかねがね…私はと申します…見ての通り、ダンゾウ様の人狼です」
その一言で済ませた自己紹介。
カカシは思い出していた。
ダンゾウの足元にいた白く美しい狼を。
「サクモお前本当に…!」
「うん、そう、今回はちゃんと全部最初に話そうと思って。それでダメならもうに頑張れとは言わないよ」
の頭をなでると泣きそうな顔をしていた。
俯き、ただ、居心地が悪そうに。
「少し長くなるけど付き合ってくれるかい?」
頷いた、いいよと言うカカシ。
サクモはほんのり甘いお茶を一口のんで喉を潤す。
「の両親を殺したのはね、僕なんだよ」
二人は目を丸くし、見開く。
「紫、彼女はそう呼ばれていた。紫はマダラ様に使えていたんだけど、マダラ様は意外と放任でね。人狼を粗末にはしていなかったんだよ。だから、よく家にきては妻と二人でこの家で遊んでいたよ。楽しそうにね」
中庭から聞こえそうな時がある。
『サクモ、遊びに来たわよ』
雨戸を開けるとずぶ濡れでも嬉しそうに微笑む。
「そんな彼女に、子供ができたんだ。そうだね、カカシと同じときぐらいに。妻とふたり喜んでいたよ。いや、厳密に言えば妻としか喜べなかったんだね」
まだ、が生まれる前は複数人狼がいた。
人間に混じって忍びに混じって。
「人狼には掟があったんだ、紫は言わば血統書付きの純人狼、彼女は子供を産んではいけなかった。ましてや人狼とは勿論法の上でも御法度だったからね」
それでも紫は恋をした。
愛を知った。
それをこの中庭で妻とふたり秘密をいつも共有して語り合っていた。
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