第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~
「…二人の時だけでも私の名を呼んではくれないか…」
え、何?
今、何て言った…?
聞き間違えじゃないよね?
デレ?
いつもツンギレの三成様が、デレた、だとぉっ!!
うわー、ちょっ…
トゥンク来たあああああああっ!!
この人は石田三成だけど、中身はもっと別の人なんだよ、きっと!そうでなければ俺のみつなりがこんなかわいいわけがない!ってなんか違う!
違うけど…
かわいい。
主に向かって失礼だが、ホントにこの言葉が当てはまる人だなって思ったんだ。
「ちっ…」
三成様は舌打ちをするも、顔が真っ赤で可愛いとしか言いようがなかった。
私はクスクスと笑い、そして彼の手に触れた。
「御一緒にお茶でもしませんか、三成さん…」
貴方の名前を呼んだ瞬間、貴方の匂いに包まれた。
私と三成さんとのゆるい、ゆるい時間。私はこんな時間は嫌いじゃない。