第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~
【※緩やかに】
彼に首を指摘され手で触ってみるとヌルっとした感触がした。
どうやら先程の衝撃で傷が開いたようだ。掌を見ると出血量が思ったよりも多く、巻いた布では追いつかない程に血が手首まで滴り落ちて来た。
私は近くにあった布で拭き取ろうとすると彼がそれを遮り、手首を掴みながら私の名前を呼んだ。
「名前…」
あ…。
島左近は余りにも熱っぽく、私の名前を呼ぶ。
すると私の中のモノが騒ぎ、彼が触れている所から徐々に全身へと甘い痺れが巡る。
はっと我に返ると指先に生温い感触が伝わる。
ピチャ…。
いやらしく、水音が響いた。
「んっ…」
私の身体が反応する。
それと共に女の私の吐息が漏れる。
彼がそれに応える様に、次第と舌使いがいやらしくなった。
指先から、指一つ一つ丁寧に舐めとり、私の血を綺麗にして行く。
徐々に手首に、腕に、そして首筋へと舌を沿わせ、更に私の中の何かを騒ぎ立たせる。
「っ、ダメ…」
彼はゆっくりと私を横にし、執拗に首の傷口を攻める。
彼の胸を押し退けようとするが、力の差が歴然としていて、いとも簡単に組み敷かれてしまった。
ピリっと痛む傷が次第に快感となり、身体が疼き始める。気付くと彼の手が私の下半身を弄り、さらに奥へと指を掻き分けると普段見る事のないその奥へと指を忍ばせた。
「っあっっ!」
もう、何をしても感じる身体。
私のその奥は快楽を求め彼の指を絡めとる。
「すっげぇ…」
これだけで、ココがこんなに…。
私に聴こえる様に態とクチュ、と音をたてながらゆるゆると攻める。
「っはぁっ…」
お互いの息遣いが荒くなり私は身体をくねらせてもっと、と言うように彼の熱を求めた。
「名前…可愛い…」
何度も、何度も私の名前を耳元で囁き、女が喜ぶ言葉をくれる。
あぁ、見た目通りに女慣れしてるんだと思っていると彼の顔が目の前に来た。
「悪ィ…止まんねぇ…」
「んっ!」
次第と深くなり互いの舌が絡む。
苦しくなり唇を離すとどちらのか分からない銀の糸が私達を繋げる。顔が紅潮し、自然と潤んだ瞳で彼をみつめた。
「やっべ…マジでカワイイ…」
ハマりそう…。
私達は今はまだ分からない感情と共に、ただ、男として、女として快楽を求めた。