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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~


島左近…。
彼は私の異常に気付いている。異世界人とは気付いていないが、私の異常なこの匂いに気付いた。
トリップの影響と言って良いのだろうか、この匂いのせいで何度もあんなコトとか、そんなコトまで…。

「ぴゃあぁぁぁぁぁっ!!!」

かぁっと顔が熱くなる。
ホントいらない能力だな、おいっ!
此処に飛ばした奴に言いたいよ。もっとマシな能力置いていけって!例えば属性全部とか、最強設定とかさ!

って、

「全部死亡フラグじゃねーか!」

戦いたくもないし、逆ハーとか嫌われとかね、そんなのいらないんだよ。良いから元の世界へと帰して欲しい。

切実に。

ホント、この世界の人達は私をどうしたいの?連れて来る意味分かんないし、理解もしたくない。

完全にキャパオーバーだ。

はぁ…。
彼らから頂いた包を見ながらため息をつく。

中を覗くと眩しい位に煌びやかだ。

「私には、勿体無いよ…」

昨日着ていた着物も美しいがこちらも負けず劣らず。
また、薄紫色だ。豊臣は紫好きだな、と思って着物を物色する。

「あ、」

何か可愛いと思い、数ある中から一枚取り出した。


やはり薄紫で白と少し濃い紫のラインが美しい。そして裾に広がる若草色の葉と白い小花が綿花の様にふわり、と柔らかい感じだ。

コレ、着ようかな、と思っていると襖の向こうに先程と同じ気配がした。今度は一人だ。

この気配は確か…


「し、ま…様?」



私は襖に向かってその人物に話しかけた。


「…アンタ本当に何者なんだ…」

暫く間が開くと島左近は私が呼んだ名前に反応したんだ。


「俺ってこう見えても気配消すの上手いんだぜ?」



あ、やらかした。




「それに俺、アンタに」





名前、教えてないぜ…
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