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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~


【変質、変異、変化】





入って来たのはあのBASARA4、左腕に近し者…




島左近…。


彼は私と目が合うとサッと逸らしてしまった。

「…受け取れ」

左近、と石田様が短く一言言うと、島左近は抱えていた荷物を私の目の前に下ろした。

「あ、ありがとうございます…」

やはり石田様とは目を合せられず、チラリと島左近の方へ視線を向けると彼の顔色が徐々に悪くなって行くのが分かった。

「あ、あの、顔色が…」


私は後先の事を考えずに大丈夫ですかと言い彼に手を伸ばし触れようとした。


パンっ!!


「あ…」

彼は思い切り私の手を払い除けた。

「っ!な、何でもない…っ」

彼は大丈夫と言い、廊下へ出て行ってしまった。私は彼が出て行くのを見つめる事しか出来なかった。


「済まない…」

後で斬滅して置く。と石田様はサラリと怖い事を言う。


「い、いえ、初対面で御無礼を…」

謝るのは私の方です…。


少し痺れた手を摩りながら俯くと石田様が私の手に触れた。

「石田様…」

私達は見つめ合い、今朝よりももっと自然と甘い雰囲気になる。

「何かあれば私を頼れ」


近くで見るとやはり美しいのが分かる。見とれていると思い出すのは今朝の事。顔が徐々に赤くなって来て視線を泳がせる。

「あ、その、あわわわわ…」

意識しているのがバレバレで恥ずかしくなり、俯きながらチラリと石田様の様子を伺うと、

私の胸がときめいたのだ。



あ、う、うわぁぁぁ…

美人過ぎ…



そう、あの石田様が微笑んでいたのだ。

胸を抑え、ぐるぐると頭の中で悶えていると石田様が私に話しかけて来てはっと我に返る。

「名は…」

聞いていなかったな。と私の名前を聞いて来た。


「あ、わ、わ、私は名前と申し、ます…」
一度は元就様の所で告げたのだが、もう忘れてしまっていたので改めて名乗った。名乗るのが遅くなり申し訳御座いません、と付け加えて言うと気にしていないと仰り、ホッとする。





「私の事は」

下の名で構わない。











って無理っショ!!
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