第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~
私は左近を叩き起こし、あの女に渡す包を運ばせる。
中身は着物と装飾品だ。私は昨日の詫びを兼ねて着物を贈ろうとするが、間に合わず、装飾品となった。刑部が用意するのは何となく分かるが、まさか半兵衛様まで用意するとは思わなかった。
半兵衛様は今小競り合いで城には居らっしゃらない。刑部も今朝早くに私の部屋へ寄り、着物を私に託し半兵衛様の後を追って行った。
そして、あの女の世話も押し付けて行った。
やはり昨日、今日の事もあり、流石に一人ではキツイと感じ左近もついでに連れて来たのは良いが、鬱陶しかった。
(三成様ひでーよ!)
ったく、ホント、三成様は無茶苦茶だ。
俺は物凄く重い包を抱え、その姫さんの部屋まで来ると三成様はそのまま引戸を開けた。
え、開けた!?入った?!
ちょ、ちょ、三成様!?
姫さんだか何だか知らねーけど、一応声は掛けた方がって、主は三成様だった!
俺もそれに便乗して失礼しまーすっと控えめに言い、三成様の後に続き部屋へと入る。
「っ…!」
な、何だよ、この異常な空間はっ…!
持ってかれる…!
入った瞬間、俺は異様なカオリに襲われた。