第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~
「三成様ぁー」
何処の部屋ッスかー??
朝早くから三成様に叩き起こされ部屋へ運べと大量の包を渡された。
何処の部屋へ運ぶか聞いてみても良いからさっさと運べと通常運転の三成様だ。
「貴様!丁重に扱え!」
後ろから斬滅してやると殺気がする。少しでも雑に扱うと直ぐ斬滅だの、何だのって。まぁ、それがなくちゃ三成様ではないんだけどね。
どうやら噂のオンナに渡す着物みたいだ。
半兵衛様に刑部さん、それから三成様まで…。
「っしかし、何者なんスか」
そのオンナ。
「あ、そうか!三成様の好い…」
カチャ…
首元にヒヤリとした物が当たる。
「しのごの言わず…」
さっさと運べ。
うっわーマジぱねぇッスよ、三成様…。
しかし、このお三方に寵愛されるなんて何処の姫さんだろうか。
俺の頭の中は噂の姫さんでいっぱいになっていた。