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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~


【銀の月に包まれて】





深い闇から眩い程の白い光が私を包む。
あぁ、暖かい…。
私はその光の中心に手をかざすとそれはは四方へと散った。
意識は徐々に明解になり、その散った光は私に朝と告げたのだ。

昨夜はあの様な事があったのにも関わらず、私は夢も、何事もなくぐっすりと寝れたようだ。

ん、と一つ伸びをしながら上半身を起こすと、何か違和感を感じた。


「っ…な、何…?」

微睡みの余韻もまるで無かったかのように、その違和感は私を侵食する。


ドクン…


な、に…?


ドクン……


部屋の空気が震えてる…?

不安気に辺りを見渡すと光が漏れる方からその気配がした。

目を凝らして見るが、逆光でまともに見る事が出来ない。

「起きたか…」

その何かが言葉を発する。
その瞬間、血の気が引くのが分かった。

「っつ!」

私はギュッと布団を掴む。


ドクン………

あぁ、ダメだ。
昨日の事が鮮明にフラッシュバックする。

恐い、こわい、コワイ…

「あ、…あぁ…」

私は怯え、その声を拒絶する。
だが、その声は私を無視し、ゆっくりと近付いて来た。


「…私が」

恐ろしいか…。


あ…は…は


「貴様は…」

刑部の何なのだ…。


はぁ、はぁ、ハァ、ハッ


私の呼吸が乱れて行く。
上手く、息が出来ない。


「おい」

どうした…。



彼が私に何か話している。だけど私の乱れた呼吸は何も聞こえないし、応える事が出来ない。


はっはぁっ…

「た、たす…けっ」


助けて、大谷様っ!!

声にならない声で私はあの人の名前を呼ぶ。
だけどあの人は来てくれない。

側に居てくれるんじゃなかったの?

ねぇ、私の震える心を包んでよ!!

私は目が虚ろになり、石田様も何もかもが霞始めたその時だった。

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