• テキストサイズ

【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第2章 ~ゆるり、ゆるりと籠の鳥~


「…ヤレ、愛い顔が台無しよ」

ダイナシ。


優しい声と共に私の部屋の扉が開く。

「あ、…おお…たに…さま…」

私は上半身だけ起き上がり、ただ、彼の姿を見つめた。

カタン、と扉が閉まり大谷様が此方へと近付き私に触れる。


「泣いていたのか」

…う、ん

「よい、ヨイ。たんと泣きやれ」

うん…

「三成が恐ろしいか」

うん、コワイ…。

「アレは真っ直ぐの塊故ナァ」

案ずるな、ワレが側にいてやろ。

大谷様は赤子をあやす様に私をゆるゆると抱きしめると頬へ、額へと優しいキスを降らした。
大谷様のカサ付いた唇と包帯の感触がこそばゆい。

ヌルり…

目元に、そして首にピリッとした痛みと生温い感触がした。

「ん…」

思わず声が出ると大谷様の手が一瞬止まる。



「ヒッ、傾国の花は流す血までもが甘いよナァ」

此処にいる間はワレだけの花でいやれ。
ワレの愛い、ヒナギクでいやれ…

私は大谷様の不思議な温もりを感じながら眠りへとついた。



「寝やったか…」



ナァ、三成…。



「……………」





この時、扉の向こうに石田三成が居た事など、私は知らない。
/ 277ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp